底冷えする寝室でもぐっすり。電気代を抑えながら眠れる暖房の“ちょうどいい温度”とは?
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底冷えする寝室でもぐっすり。電気代を抑えながら眠れる暖房の“ちょうどいい温度”とは?
布団に入った瞬間は足先が冷たくてつらいのに、暖房を強めると今度は空気がカラカラ、喉もイガイガ…。
「寒さ」と「乾燥・だるさ」のあいだで揺れやすい冬の寝室ですが、実は快眠の“正解温度”は 16〜20℃の少しひんやりした室温+足元・首元のポイントあたため にあります。
この記事では、電気代を抑えつつ、今夜から実践できる暖房温度とレイヤリングの整え方をまとめました。
(レイヤリングとは「重ね合わせること」)
冬の快眠をつくる「理想の暖房温度」とは?
① 専門家がおすすめする寝室の温度ゾーン
海外の睡眠関連団体や医療機関のガイドラインをならすと、多くが 「大人の寝室はおよそ16〜20℃前後」を推奨しています。 それより高すぎると「暑くて寝苦しい」、低すぎると「ストレスとしての寒さ」が増え、どちらも快眠から遠ざかります。
- 最初の目安は18℃前後に設定
- 寒がりなら19〜20℃、暑がりなら16〜17℃へ1〜2℃刻みで微調整
※ 室温の感じ方には個人差があります。自分の「ちょうどいい」を探る前提でお使いください。
② 体は「少し体温を下げてから眠る」しくみ
人は眠る前に、手足から熱を逃がして 「深部体温(体の内部の温度)」を少し下げることで眠気を強める 仕組みを持っています。
- 寝室が暑すぎる → 深部体温が下がりにくい → 寝つきが悪くなる
- 適度にひんやり → 体が自然に熱を逃がせる → 眠気がスムーズに高まる
「ちょっとひんやり、でも布団に入ればちょうど良い」が、眠気スイッチにはベストです。
③ 暖房を上げすぎると起きやすい3つの不調
部屋を「ぬくぬく」にしすぎると、こんな状態になりやすくなります。
- 寝つきが悪い:布団に入ってもダラダラとスマホを触ってしまう
- 途中で目が覚める:暑さや喉の渇きで何度も起きる
- 翌朝だるい:頭が重く、「寝たのに疲れが残る」感覚
※ 「寒さストレス」も不眠の原因になるため、暖房ゼロの我慢もおすすめできません。バランスが大事です。
「少しひんやり+局所あたため」が快眠に効く理由
エアコン28℃・電気毛布強で一晩中…といった使い方は、深部体温が下がりにくく、 「暑いのに眠れない」 状態を招きやすくなります。
- 空気が乾燥して喉が痛くなる
- 途中覚醒・寝汗・だるさが増えやすい
- 電気代もかさみがち
室温は16〜20℃の少しひんやりゾーンに抑えつつ、 「足元」と「首まわり」を集中してあたためると、 寒さストレスを抑えながら、眠気のメカニズムも邪魔しません。
- 足元:湯たんぽ/足元だけの電気毛布/レッグウォーマー
- 首元:襟付きパジャマ/薄手のネックウォーマー/肩まで掛かる掛け布団
- 全身ではなく「ポイントあたため」で深部体温の下降をサポート
今日からできる4つの実践ステップ
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STEP1:寝室の「基本温度」を決める(目安は18℃前後)
エアコンやオイルヒーターの設定温度をまずは18℃前後に固定し、そこから1〜2℃単位で微調整します。- 「ちょっとひんやりするけど、布団に入れば気持ちいい」感覚が目標
- 一気に25〜28℃まで上げてからOFFにするより、弱く長く(連続運転)の方が温度変化が穏やかで快適
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STEP2:足元・首元をあたためるレイヤリングをつくる
部屋全体を暑くするのではなく、冷えやすい部分に「集中投資」します。- 足元:湯たんぽや足元用電気毛布で、寝る30分前から布団を温める(入眠後1〜2時間でタイマーOFF)
- 首・肩:襟付きパジャマ/薄手のネックウォーマー/肩まで掛かる布団で「首の付け根〜肩」を冷やさない
- 寝具レイヤー:敷きパッド → 掛け布団 → ブランケットの順で重ね、気温に合わせて1枚足し引きしやすくする
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STEP3:湿度40〜60%を目安に「乾燥」を防ぐ
暖房を入れると、どうしても湿度が下がりやすくなります。喉の痛みやいびき、途中覚醒を防ぐには、 湿度40〜60%を一つの目安にしましょう。- 湿度計+加湿器が理想だが、まずは濡れタオルを1〜2枚かける/洗濯物を一部寝室に干すでもOK
- 喉が弱い人は、就寝前と起床時のコップ1杯の水+就寝時マスクも検討
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STEP4:「寝入り〜朝」のタイマーを設計する
時間軸を決めておくと、寒さと電気代のバランスが取りやすくなります。- 寝る60〜30分前:暖房18〜20℃でON/足元あたためもスタート
- 入眠〜2〜3時間:同じ温度か−1〜2℃でキープ。足元の電気毛布は1〜2時間でOFF
- 起床30分前:16〜18℃で暖房が入るようにタイマー設定し、「布団から出る地獄感」を軽くする
上級者向け:NGパターンと置き換え方👈
- NG:寝る直前にエアコン28℃→寝るときに完全OFF → 夜中に底冷えで目が覚める
- OK:就寝前から18℃で連続運転 → 入眠後は弱め継続 or やや温度DOWN → 明け方に再度少し上げる
- NG:電気毛布を「強」で一晩中
- OK:足元だけを弱で使用し、タイマーで1〜2時間後にOFF
それでも眠れないときの受診の目安
暖房温度・湿度・寝具のレイヤリングを整えても、次のような状態が続く場合は、 睡眠障害や体の冷え・循環の問題が隠れている可能性もあります。
- 入眠まで1時間以上かかる日が多い
- 夜中に何度も目が覚める/息苦しさや強いいびきを指摘される
- 日中の強い眠気が続き、仕事や運転に支障が出そう
本記事は生活習慣のヒントをお伝えするものであり、診断や治療を代替するものではありません。
「おかしいな」と感じたら、早めに医療機関や睡眠専門クリニックにご相談ください。
まとめ:冬の快眠は「室温はほどほど+体の要所をあたためる」
冬の夜は、「とにかく暖かくすればいい」と思いがちですが、本当に欲しいのは 「暑くないのに、ちゃんと眠れるぬくもり」です。
そのためには、 ① 室温16〜20℃ゾーンを守る、 ② 足元・首元のレイヤリングでポイントあたため、 ③ 湿度40〜60%+タイマー設計で夜〜朝の流れを整える の3つがカギになります。
今夜、寝る前に ① 暖房を18℃前後に見直し、 ② 足元のあたためアイテムを1つ追加、 ③ 濡れタオルや加湿器で湿度を少しだけ底上げ するところから始めてみてください。
