
「午後のコーヒーはNG」って本当?カフェインについて
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「コーヒーは昼までに」
「紅茶やチョコも避けたほうがいい?」
そんな“カフェイン神話”に、あなたも少し疲れていませんか?
たしかに、科学的にはカフェインが睡眠に影響を与えるのは事実です。
でも
「絶対NG」
と決めつけてしまうのは、ちょっと早計かもしれません。
☕コーヒーは昼前にやめるべき?
2013年にDrakeらが発表した研究によると、就寝6時間前に400mgのカフェインを摂取すると、入眠時間が遅れ、総睡眠時間も短くなることが確認されています※。
この研究では、午後5時にコーヒーを飲んだ被験者が、
その夜に明らかな睡眠障害を示しました。
これはカフェインの半減期(3〜7時間)を考慮すると納得の結果です。
つまり、個人差はあれど、夕方以降のカフェイン摂取は避けたほうが良いとするのが妥当です。
ただし、夜にコーヒーを飲んだからといって、全員が不眠になるわけではありません。
カフェインに敏感かどうかが大きな鍵です。
🍷「お酒+コーヒー」は本当にダメ?
「ワインを飲んだ夜に、友人との余韻を楽しみながらコーヒーで締めたい」
そんなシーン、ありますよね。
実際、アルコール自体が睡眠の質を低下させるため
その後のコーヒーがどれだけ影響するかは個人差が大きいです。
この件に関しては明確な科学的データは存在しておらず、
現時点では「個人の体感」に委ねられる領域だといえます。
だからこそ、「飲まない方がいい」というアドバイスは重要ですが、
「絶対ダメ」とは言い切れないのです。
🍵紅茶・緑茶も注意が必要?
カフェインを含む飲み物はコーヒーだけではありません。
- コーヒー:約60mg/100ml
- 紅茶:約30mg/100ml
- 緑茶:約20mg/100ml
つまり、1杯200mlの紅茶はコーヒーの半分程度のカフェイン量。
夕方までなら問題になることは少ないですが、敏感な方はやはり控えめが安心です。
なお、「紅茶の方がカフェインが多い」という説は、茶葉単体の量に基づく誤解です。
実際に抽出した飲料では、コーヒーの方が明らかに多くなります。
🍫チョコレートは本当に睡眠の敵?
「夜にチョコを食べると眠れなくなる」
この噂、どこまで本当なのでしょうか?
実際のデータでは、
- ミルクチョコレート(25g):約10mg
- ダークチョコレート(25g):約20mg
つまり、コーヒー1杯分(約90〜120mg)に相当するには、ダークチョコを150g以上食べる必要があるという計算になります。
夜に板チョコ1枚食べる人は多くないでしょうし、少量であれば睡眠に悪影響を与えるリスクは極めて小さいと考えて良さそうです。
ただし、「チョコに含まれるマグネシウムやトリプトファンが快眠に効く」という説はエビデンスが弱いため、過信しないようにしましょう。
🔍まとめ:
カフェインの摂取に関するガイドラインは、「誰にでも当てはまる絶対的ルール」ではありません。
科学的に示されたデータをベースにしつつも、あなた自身がどう感じるかを観察することが、最も大切な「睡眠のセンス」です。
今日のまとめ:
- ☕ コーヒーは就寝6時間前までが安全圏
- 🍵 緑茶や紅茶はコーヒーの半分以下。体質次第では寝る前もOK
- 🍫 チョコレートは少量なら問題なし
「不安」より「観察」
「制限」より「工夫」
これが、快眠へのいちばん柔らかな近道です。
※ 出典:Drake C, Roehrs T, Shambroom J, Roth T. (2013). Caffeine effects on sleep taken 0, 3, or 6 hours before going to bed. J Clin Sleep Med. 9(11):1195-200.