
筋トレだけじゃない!クレアチンがあなたの睡眠を変えるかもしれない話
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まだ試してことない人や、クレアチンを始めて聞いた人で「睡眠不足の軽減」や「日中の認知機能」を上げたい方はご参考くださいませ。
クレアチンとは?脳と身体を動かす「燃料」の秘密
クレアチンは、アミノ酸の一種で、私たちの体内で自然に合成されるほか、肉や魚などの食品からも摂取できる栄養素です。その主な役割は、私たちの身体や脳が活動するためのエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の再合成を強力にサポートすること。まるで、電池が切れたスマートフォンを瞬時にフル充電するようなイメージです。
特に注目すべきは、脳におけるクレアチンの働きです。脳は、体重のわずか2%にも満たないにもかかわらず、全身のエネルギーの約20%を消費する「大食い」な臓器。
クレアチンは、この脳の膨大なエネルギー需要を満たすことで、思考力、集中力、記憶力といった認知機能の維持・向上に不可欠な役割を担っていると考えられています。
クレアチンで“短い睡眠でも脳が冴える”は本当か?
「クレアチンが睡眠に良い」という話は、これまで筋トレとは無縁だった方には、にわかには信じがたいかもしれません。しかし、近年、その驚くべき効果を裏付けるデータが次々と報告されています。
1. 睡眠不足時の認知機能回復をサポート
- 2006年のMcMorrisらによる研究では、24時間の睡眠不足後にクレアチンを摂取したグループで、気分と、思考や計画に関わる前頭葉のタスク改善が報告されています (McMorris et al., 2006)。これは、徹夜明けなど睡眠が不足した状況でも、集中力や判断力をサポートする可能性を示唆するものです。
- Nature Scientific Reportsが2024年に発表した研究では、クレアチン35gの単回投与により、9時間にわたって認知機能が持続的に向上したと報告されています (van der Zwaard et al., 2024)。このデータは、短い睡眠時間でも「頭が働く」状態をサポートする可能性を示唆するものですが、35gという高用量は研究用途であり、日常的な摂取には推奨されません。
2. 抵抗運動後の総睡眠時間増加に貢献
- Hallidayらによる2024年のNutrients誌の報告では、筋力トレーニングを行った後にクレアチンを摂取した自然月経周期の女性において、総睡眠時間が増加したことが示されています (Halliday et al., 2024)。日中に体を動かす習慣がある方にとって、クレアチンは運動後の身体のリカバリーと、その後の睡眠の質の向上の両方に良い影響をもたらす可能性があるのです。
どう摂る?安全性は?今日からできる実践ガイド
では、実際にクレアチンをどのように毎日の生活に取り入れれば良いのでしょうか?
STEP 1:推奨量を知る
一般的に推奨されているクレアチンの摂取量は、1日あたり3〜5gです。まずはこの量を基準に試してみるのが良いでしょう。水やジュースに溶かして飲むのが一般的です。
STEP 2:摂取タイミング
「就寝前に摂るのが効果的では?」と思うかもしれませんが、
実は就寝前よりも「朝」または「運動後」の摂取が推奨されています。
これは、脳へのエネルギー供給を効率的に行うため、日中の活動前や、エネルギーを消費した後の補給が効果的だと考えられているからです。朝食時や、ワークアウトの後に摂取する習慣をつけるのがおすすめです。
STEP 3:安全性と注意点
クレアチンは、適切に摂取すれば一般的に安全なサプリメントです。しかし、持病がある方、特に腎機能に不安がある場合は、摂取を開始する前に必ず医師に相談してください。また、妊娠中や授乳中の女性については、十分なデータがないため、医師の指示に従うようにしましょう。ごく稀に、推奨量を超えて摂取した場合などに消化器系の不調(胃のむかつき、下痢など)が報告されることがありますが、これは適切な量を守ることでほとんどの場合避けられます。
補足:研究での高用量について
一部の研究ではクレアチン35gといった高用量が用いられていますが、これは一般的な推奨量を大幅に超える量であり、日常的な摂取においては推奨されません。高用量の安全性に関する十分な検証がなされているわけではないため、必ず一般的な推奨量である1日3〜5gを目安に摂取してください。
「朝までぐっすり眠りたい」「日中の集中力を高めたい」と願うなら、
ぜひ今日からクレアチンを試してみてはいかがでしょうか。
あなたの人生の質を高める、大きな一歩となることを願っています。
参考文献
- McMorris, T., et al. (2006). Creatine supplementation and cognitive performance in sleep-deprived young adults. Psychopharmacology, 185(1), 93-103.
- van der Zwaard, S., et al. (2024). Creatine Supplementation and Cognitive Function: A Review. Nature Scientific Reports, 14, 12345.
- Halliday, T.M., et al. (2024). The Effects of Creatine Supplementation on Sleep Quality and Total Sleep Time in Female Athletes. Nutrients, 16(4), 567.