
ディープスリープを手に入れよう。ベッド内時間制限法のすべて
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「寝ているはずなのに疲労感が抜けない…」――
その原因の多くは “ディープスリープ(徐波睡眠)”不足 にあります。
今回は、このディープスリープを身につけようって話でございます。
1. ディープスリープとは?
徐波睡眠は脳波が 0.5〜4 Hz の大振幅を示すステージで、成人では 総睡眠時間の15〜25 % を占めるのが理想域です。
この段階で成長ホルモン分泌・免疫調整・記憶定着 がピークに達し、身体と脳のリカバリーが進みます。
2. “ベッド滞在時間制限法”が効く理由
鍵は睡眠圧。
日中に覚醒しているほど圧が高まり、就寝後すぐに深睡眠が得られます。
ところが「ダラダラ就床」や「二度寝」で圧が逃げると、
徐波活動が減少してしまいます。
不眠症治療で用いられる 睡眠制限療法(Sleep Restriction Therapy, SRT) はこの原理を逆手に取り、ベッド滞在を“睡眠実績+α” に絞り込むことで深睡眠を底上げします。
つまり、「ベッドの中で過ごす時間は、睡眠時間と同じ長さにする」
のを目的とします。
で、何事も現在の状況を知らないと対処できなので、まずは記録からです。
3. 2週間でできる実践ステップ
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睡眠日記を14日間つける
- ベッドに入った時刻(例:夜10:30)
- 眠りについたと推定した時刻(例:夜10:45)
- 目覚めた時刻(例:朝6:00)
- ベッドを出た時刻(例:朝6:10)
翌朝すぐ1分で記入。主観でOKです。
就寝前に簡単なメモ書きできるノート・ペンなどを枕元に置いておけば記録しやすいですよ。
この例の場合なら睡眠時間は、6:00 − 22:45 = 7時間15分となります。
で、これを14日続けて合計する -
平均睡眠時間を把握する
例:14日合計の睡眠時間77h → 平均5.5h。
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「ベッド滞在時間 = 平均睡眠+30分」ルールを設定
平均5.5hなら6h滞在に固定。
睡眠効率(TST÷TIB×100)が85 %未満なら-15分
90 %以上なら+15分で再調整します。
このルールに従うなら、どういうことかっていうと-
ベッド滞在時間 を 6 時間に固定する。
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例:起床を 6:00 に決めたなら → 就寝は 0:00。
起床を 5:30 にしたいなら → 就寝は 23:30。
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実際に眠れた時間が 5時間30 分 なら、
5.5÷6×100≈92 %(睡眠効率)→ 少し効率が高めなので、様子を見て +15 分伸ばす(6時間15分)調整もアリ。
これは Sleep Foundation が推奨する目安です。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
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起床時刻を死守
就寝が遅れても起床6:00を固定。朝の“ダラダラ浅睡眠”を排除し、次夜の睡眠圧を温存します。
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2週間後に再評価
睡眠効率85〜90 %帯で安定するまで、②③④を繰り返します。
4. よくあるQ&A
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「寝不足だから早く寝る」はNG?
夕方〜20時の前倒し就寝は睡眠圧が十分たまらず、かえって深睡眠を減らします。 -
スマートウォッチの深睡眠パーセンテージが低い…
家庭用トラッカーは脳波計測を行わないため±30 %程度の誤差が報告されています。
トレンド把握には有用ですが、絶対値は医療用機器と異なる点に注意しましょう。
今回は、「ディープスリープ」の増やす手法をご紹介しました。
「寝ているはずなのに疲労感が抜けない…」方はぜひお試しくださいませ。
参考文献
・Polar Blog「Sleep Stages: Benefits of Deep Sleep vs. Light Sleep」2022 更新版:contentReference[oaicite:3]{index=3}
・Spielman AJ et al. “Sleep Restriction Therapy” (Upenn CBT-I Chapter) 2020 PDF:contentReference[oaicite:4]{index=4}
・CBT-I Primer, Frontiers in Sleep, 2024 Review:contentReference[oaicite:5]{index=5}
・Sleep Foundation “Sleep Restriction Therapy: Everything You Need to Know” 2023.:contentReference[oaicite:6]{index=6}
・Mander BA et al., Nat Neurosci, 2013 (前頭前野萎縮と徐波睡眠)