
【2日目の日中〜4日目の夜】 体内時計をリセットし、入眠儀式を作る【睡眠改善プログラム2025】
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【2日目の日中〜4日目の夜】 体内時計をリセットし、入眠儀式を作る
2日目からは、体内時計を整え、眠りへのスムーズな移行をサポートする新しい習慣を取り入れていきましょう。
【2日目:日中】 太陽の光で、体内時計のスイッチを入れる
2日目の日中に行ってほしいことは、非常にシンプルです。
【2日目に取り組むこと】
最低30分、太陽の光を目に入れる。
(夜)就寝3時間前から、ブルーライトをカットする。(持っているなら、オレンジ色の眼鏡をかける。)
《なぜ太陽の光が必要なの?》
人間の体内時計は、目から入る光をシグナルにして「今は昼だ」と認識し、活動モードになります。そして、光を浴びてから約14〜16時間後に、自然な眠りを誘うホルモン「メラトニン」が分泌されるようにセットされます。
つまり、朝に太陽の光を浴びておくことが、夜の快眠のための「予約」になるのです。
《具体的な方法》
自分が最も取り組みやすい方法で大丈夫です。いくつか例を挙げておきますね。
- 通勤・通学時に一駅分だけ歩く。
- 公園のベンチなど、屋外で昼食をとる。
- 日中の休憩時間に、建物の周りを散歩する。
注意点として、体内時計のリセットには「目に光を入れる」ことが重要なので、この時間だけはサングラスを外しましょう。 どうしても外出が難しい場合は、太陽光に近い光を放つライトセラピー機器を使うのも一つの手ですが、やはり自然の太陽光が最も効果的です。
《夜のブルーライト対策について*ブルーライトカット眼鏡購入した人の場合》
夜に強い光、特にスマートフォンやPCから発せられるブルーライトを浴びると、脳が「まだ昼だ」と勘違いし、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
そこで、就寝3時間前になったらブルーライトカット眼鏡(特にカット率の高いオレンジ色のレンズがおすすめ)をかける習慣を試してみてください。これだけで、夜の光による悪影響を大きく減らすことができます。
《よりこだわりたい方へ:上級者向けの照明術》
もし費用をかけられるなら、室内の照明をスマート電球に変えるのが理想的です。
夜間は照明の明るさを300ルクス以下、色温度を2700K〜3000Kの暖色系に設定することで、メラトニンの分泌を妨げない、睡眠に最適な環境を作り出せます。
300luxはやや粗い視作業や、リビングでの読書・パソコン作業、食卓・調理台・洗面台での使用など、特定の用途に十分な明るさ。
【3日目の朝:効果測定】
太陽の光は浴びられましたか? 夜はリラックスして過ごせましたか?
昨日保存した【睡眠記録シート】を使って、変化を記録してみましょう。
【3日目:夜】 脳をクールダウンさせる「入眠儀式」を始める
3日目の夜は、高ぶった神経を鎮め、心と体を睡眠モードに切り替えるための「儀式」を取り入れます。
【3日目に取り組むこと】
寝床に入る30分前に、頭を使わないリラックスルーチンを「1つだけ」決めて実行する。
《なぜリラックスルーチンが必要なの?》
せっかく寝る時間を決めてベッドに入っても、「明日の仕事のことが…」「今日のあの出来事が…」と頭が冴えて眠れない、という経験はありませんか?
これは、脳がまだ興奮状態にあるサインです。就寝前の30分間を、意識的に脳をクールダウンさせる時間として使うことで、こうした「考えすぎ」を防ぎ、スムーズな入眠を促します。
《具体的な方法》
ポイントは「頭を使わず、心地よいと感じる」ことです。あなたの好みに合わせて、1つだけ選んでみてください。
- ゆっくりとした深呼吸や、簡単な瞑想を行う。
- 心地よい範囲で、体の凝りをほぐすストレッチをする。
- ストーリーが難しくない、退屈に感じるぐらいの本を読む。
- ただひたすら、ソファに座ってボーッとする。
この30分は、1日の中でも特に重要な時間です。
1日目のルールと同じように、「リラックスルーチンを30分確保する」ことを前提に、1日のスケジュールを組んでみてください。
僕もそうですが、寝る前の時間帯は、ついスマホで明日の予定を確認したり、面白い動画を見たりと、脳を興奮させる行動をとりがちです。
この30分だけは、デジタルデバイスから離れ、自分の内面と向き合う静かな時間にしましょう。
【4日目の朝:効果測定】
30分のリラックスタイムは、心にどんな変化をもたらしましたか?
いつもの【睡眠記録シート】で、寝つきやすさや気分の変化を確認しましょう。
【4日目:夜】 睡眠の質を高める「食事のルール」
4日目は、睡眠の質に直接影響する「食事」の習慣を見直します。ルールは2つです。
【4日目に取り組むこと】
夕食には「糖質」を必ず30gとる。
寝床に入る2時間前までには、すべての食事を終える。
《なぜ夕食に糖質が必要なの?》
「夜に糖質をとると太る」というイメージがあるかもしれませんが、実は、糖質は睡眠ホルモン「メラトニン」の材料となる重要な栄養素です。適度な糖質は、リラックス効果をもたらし、深い睡眠をサポートしてくれます。
糖質30gの目安は「お茶碗半分の白米」です。
糖質制限中の方も、睡眠の質を高めるために、この量だけは確保することをおすすめします。
《なぜ就寝2時間前までに食事を終えるの?》
食事をとると、消化のために内臓が活発に働き、体の内部の温度(深部体温)が上がります。
しかし、質の高い睡眠のためには、この深部体温をスムーズに下げていく必要があります。
食事の消化活動が、睡眠の準備を邪魔してしまうのです。
最低でも就寝の2時間前、もし可能であれば4〜5時間前に夕食を済ませるのが理想です。まずは「2時間前」のルールを徹底することから始めてみてください。
【5日目の朝:効果測定】
食事の時間を変えたことで、夜中の目覚めや朝の気分に変化はありましたか?
【睡眠記録シート】に記入し、これまでの記録と比較してみましょう。
次回は「5日目の夜/7日目の日中」に取り組む内容をご案内します。